https://twitter.com/Hashi_J_Kou/status/805801815237197824/photo/1
本日、こちらの記事が画像ランキング上位に食い込んでいました。
ちなみに18時現在、26400リツイートされている様子です。
確かに最近、高齢者が第一当事者である重大事故のニュースが(TV上では)多く報道されているように感じます。
ネット上の意見では、高齢者に運転させるのは危険ではないか?というものもある様子です。
ただ、個人的には、TV報道は情報を偏って報道しているのではないかと、常に考えながら見ているので、公開されている統計情報を見てみました。
今回、次の点に着目してみました。
1.高齢者の事故が増えているのか
2.高齢者に運転させるのは危険か
早速データを見ていきましょう。今回はH5とH26で比較することにしました。
まず、出典は「
公益財団法人交通事故総合分析センター」様の
こちらのページより、以下を用いました。
・交通統計(平成26年版)
・交通統計(平成5年版)
※利用に関してメールで承認をいただきました。
また、人口のデータは「
総務省統計局」様より、以下を用いました。
・
人口推計(平成26年10月版)の「年齢(5歳階級),男女,月別人口-総人口,日本人人口(各月1日現在)
」
・
人口推計:我が国の推計人口(大正9年~平成12年)の「
年齢(5歳階級及び3区分),男女別人口(各年10月1日現在)-総人口(大正9年~平成12年)」
「1.高齢者の事故が増えているのか」を単純に検証してみましょう。
年齢別の事故数(第一当事者)をグラフ化してみました。
このグラフより、H5→H26で
・高齢者の事故は確かに増えている(75歳以上で5.73倍、65歳以上で3.15倍)。
・総事故件数は減少している(0.80倍)。
・H5の20歳~24歳の事故数が異常に高い(全体の2割を占める)。
以上より、「高齢者に運転させるのは危険である。」と結論づけてもよいか。
このデータのみでは単純に「はい」とは言えません。
「2.高齢者に運転させるのは危険か」を検証してみましょう。
上記は単純な事故数でしたが、母集団のサイズを度外視しております。
従って、「アクティブなドライバー」のうち、「何件事故が起きているのか」に着目してみましょう。
ただし、アクティブなドライバー数を確認するすべがないので、今回は大雑把に「運転免許所有者」をアクティブなドライバーとします。
年齢別の事故率(事故数/免許保有者数)を見てみました。
・全体を通して減少傾向にある。
・高齢者が特別事故率が高いわけではない。
・30歳以上はおおよそ横ばいに見えるが、75歳以上で微増する(H26)。
・むしろ25歳以下の事故率が深刻である。
以上の結果より、
・高齢者だからと言って、事故率が高まるわけではなさそうである。
というデータがみられる。
ただし、ここで注意が必要である。今回は、
事故率=事故数/運転免許保有者数
でカウントを行っているため、「実際に運転している人の数」と「運転頻度や時間」が度外視されている。
すなわち、年を取るほどに運転機会や運転時間は減少するであろうことを考えると、やはり1回の運転あたりの事故率は高齢者のほうが高い可能性がある。(が、これはデータがないので示せない。)
【結論】
・高齢者の「事故数」は増加している(H5→H26で5.73倍)。
・「事故率」は年齢別全体で減少している(H5→H26で0.6倍~0.8倍)。
・25歳以下の「事故率」の方が深刻に見える(運転頻度考慮すると妥当な可能性もある)。
参考までに、運転免許保有率もグラフ化してみました。
算出方法は、 保有率=運転免許保有者数/人口 です。
考察は特にしません。
おわり。